やりたいことの実現から出発する介護観
多くの介護は「できなくなったこと」をどう補うかから始まる。株式会社マツシマコーポレーションの発想はそこが逆で、代表取締役・小又幸成が掲げるのは「ご利用者様のやりたいことの実現」だ。何を我慢してもらうかではなく、何を続けてもらえるかを軸に据え、そのうえでご家族の負担軽減までを見通す。従来の枠に囚われない自由な生活空間を用意し、最期を迎える瞬間まで個人の尊厳を守り抜く姿勢を、事業の出発点に置いている。介護される側とする側という上下の関係ではなく、その人の人生を続ける手伝いをする立場に自分たちを置いている。
言葉だけなら珍しくないが、看取りの局面まで含めて方針を明言している点にこの会社の本気がある。理念は掲示物ではなく、日々の判断の基準として現場に落とし込まれている。何を優先するか迷う場面で立ち返る拠りどころがあることで、対応にぶれが出にくくなる。
一人ひとりの意思を出発点に置く現場
理念は、個別対応というかたちで日々のケアに表れる。一人ひとりの生活習慣や価値観、これまで大事にしてきた意思を丁寧にくみ取り、その人らしい毎日が続くように支える。専門的な知識を持つケアマネジャーをはじめとするスタッフが心身の状態を読み取り、決まった型ではなく本人の暮らしからプランを起こしていく。
同じ介護度でも、続けたい習慣は人によってまるで違う。朝の過ごし方から食事の好み、家族との関わり方まで、その差を無視せずに計画へ反映する姿勢が、この会社の個別対応を形づくっている。契約前には重要事項説明書で料金や手続きの流れを開示し、本人と家族が納得したうえで暮らしを託せるようにしている。
理念を支えるのは働く人の安心である
掲げた理念を現場で貫くには、それを担う職員が疲弊していては続かない。株式会社マツシマコーポレーションは特定処遇改善加算を取得し、未経験から始められる研修体制や有給休暇の取得促進、健康管理の対策を整えている。見える化要件のページでは職場環境の整備や賃金改善の施策を明文化し、外部からも確認できるようにしている。取り組みを内輪の話にとどめず公開する姿勢は、働く場を探す人にとっても判断材料になる。
個人的には、利用者への理念と職員への配慮を切り離さず、地続きのものとして扱っている点に好感を持った。急な休みにも柔軟に応じ、ペットとの暮らしまで踏まえた働き方を認める。人を尊重するという姿勢が、利用者にも職員にも同じ温度で向けられている。働き手が落ち着いていられる職場だからこそ、掲げた理念が絵に描いた餅で終わらずに済んでいる。
理念が形になった一貫体制と拠点
考え方は、事業の組み立てそのものにも表れている。デイサービスから住宅型有料老人ホーム、訪問介護、居宅介護支援、福祉用具までを一つの法人で担うのは、暮らしの段階が変わっても尊厳と自由を手放さずに済むようにするためだ。太陽光発電事業部や特定技能登録支援機関としての顔まで含めれば、地域とそこに暮らす人を支えるという一貫した意志が、福祉の外側にも伸びていることが分かる。平成22年7月の設立以来、45名の職員が六つの施設でこの体制を支えてきた。拠点は群馬県館林市本町1丁目2−10、本町二丁目北停留所や館林郵便局前停留所から徒歩約2分の場所にある。相談は0276-75-2255で、9時から17時のあいだに受け付けている。


